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2013年2月25日 (月)

たった一文字だけの手紙

「?」
これは、ビクトル・ユゴーが出版社に出した手紙の全文。

「!」
それに対して出版元から受け取った、こちらは返信。

新刊の長編小説、「レ・ミゼラブル」が売れるかどうか、不安な気持ちを「?」に込めた19世紀の文豪。
編集者は、「上々ですよ」の意味を「!」に込めた。

同小説、世紀を二つまたいで世界中で翻訳され、読まれ続けている。
日本では明治時代、黒岩涙香の翻案により「噫(ああ)無情」の題で新聞に連載されたのが最初という。

日本で連載が始まってから110年、ユゴーが発表してからだと150年が過ぎた。
物語は、姉の子のためにパン1個を盗んだ罪で19年間服役したジャン・バルジャンの、仮出所後も波瀾(はらん)万丈が続くというもの。
愛と信念など、普遍的テーマで読者を魅了し続ける。

本だけでなく映画やミュージカルなどが加わって、久しい。
ミュージカルを映画化した「レ・ミゼラブル」が、昨年末から日本でも公開されている。
物語を縁取るフランス革命後の時代の嵐が、スクリーンを通すと、いっそう力を増して迫ってくるようだ。

政治家でもあった、ユゴー。
帝政に抵抗して、19年間、亡命を強いられた。
議員活動では、貧困撲滅、弱者救済に力を入れ、子どもや女性のことをいつも考えていたそうだ。
自身の生涯を重ねると、作品の味わいが深まる……。

公開中のミュージカル映画が発するメッセージのひとつに、「あしたは必ずやってくる」がある。
ユゴーが見たなら、感想には「!」をいくつも書くことだろう。

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